1982年に公開された映画『おこんじょうるり』。
この記事では、映画『おこんじょうるり』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『おこんじょうるり』の予告編
引用元:桜映画社公式サイト
年老いて1人寂しく暮らしていたイタコのお婆さん。老いて弱った体では、イタコとして仕事にならず、すっかり塞ぎ込んでいました。
そんなお婆さんの家に現れたのは、1匹の狐。お婆さんは、死に際の善行よろしく、狐に食べ物を与えます。
お礼にと、狐が唄う浄瑠璃を聴くと、弱っていたお婆さんに元気が蘇って来ました。
こうして出会ったお婆さんと狐は、共に暮らすようになるのですが…。
映画『おこんじょうるり』のあらすじ(ネタバレなし)
東北の山奥に住む、盲目のお婆さん。かつては活躍したイタコでしたが、年老いて弱った身体ではイタコ稼業も上手くいかず、人も寄り付かなくなり1人寂しく暮らしていました。
そんなお婆さんの家に、ある日やって来たのは1匹の狐。お婆さんは追い払いもせず、狐に食べ物を与えてやりました。
狐がお礼にと、浄瑠璃を聴かせると、お婆さんの身体はみるみる元気に。こうして出会ったお婆さんと狐は、一緒に暮らし始めます。
お婆さんは、狐に『おこん』と名づけ、浄瑠璃を習おうとしますが、なかなか習得できません。
村人に浄瑠璃を聴かせるために、おこんはお婆さんの背中に隠れて、二人羽織のように浄瑠璃を披露することに。お婆さんの背中で歌うおこんの浄瑠璃は評判になり…。
映画『おこんじょうるり』の解説
1982年公開の短編人形アニメです。原作は、1977年に発売された、絵本作家さねとうあきらさんの創作民話。
NHKみんなの歌『メトロポリタン美術館』のアニメーション制作で知られる、アニメーション作家の岡本忠成さんの代表作の一つとしてあげられます。
1982年度大藤信郎賞を受賞した他、キネマ旬報ベスト・テン文化映画部門の第一位にも選ばれています。
上映時間は25分と大変短い作品ですが、舞台となる東北の風土感や、浄瑠璃の響きなど、非常に良く描かれていて、今でも根強い人気を持つ作品です。
2021年には、岡本忠成作品を集めた特別上映会でも上映されました。
映画『おこんじょうるり』のみどころ
25分間と言う短い時間の中で、お婆さんとおこんのストーリーがギュッと濃縮されています。
お婆さんとおこんが出会い、一緒に暮らし始め、元気になる浄瑠璃をみんなに聴かせてあげる…物語前半の心温まる2人の生活。
元来、イタコとして人から頼られていたお婆さんのもとに、おこんの不思議な浄瑠璃のおかげで、また人が集まってくる様は、何とも言い難い、複雑な感情で見てしまいます。ついこの間まで、誰も寄り付かなかったくせに。
アニメーションの可愛らしさや、映像の美しさもさることながら、ラストまで流れる浄瑠璃の響きが印象深く残ります。
映画『おこんじょうるり』の感想
今から50年近く前に発表された絵本と、同じくらい古い短編人形アニメーション。今でも根強いファンが居る、長く愛される作品です。
絵本らしい、わかりやすくも心に訴えかけるストーリーは、いつの時代になっても色褪せません。
映画『おこんじょうるり』の登場人物・キャスト
《声の出演》
長岡輝子
小野寺かほる
木村富穂
後藤哲夫
映画『おこんじょうるり』のスタッフ
- 演出:岡本忠成
- 制作:村山英世(桜映画社)
花崎哲(桜映画社)
岡本忠成(エコー社)
南波千浪(エコー社) - 原作:さねとうあきら
- 脚本:岡本忠成
- 撮影:田村実、伊丹邦彦
- 編集:相沢尚子
- 振付:藤間蔵人
- アニメーション:藤森誠代、長崎希、吉田悟、渡辺雅子、中島佳子、横川たか子
- 作詞:東川洋子
- 人形:保坂純子、阿彦よし子、佐野吉紀
- 背景:岩佐ひろみ、三澤博道、渡辺静子
- 録音:甲藤勇
- 唄:曽我マミ
- 協力:平井孟
- 現像:東洋現像所
- 作曲・演奏:高橋祐次郎、堅田喜三久、中川善雄
- 作画・仕上:槇坂千鶴子、柳本孝子、黒田直美
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