1969年6月14日に公開された映画『プレイタイム』。
この記事では、映画『プレイタイム』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『プレイタイム』の予告編
『プレイタイム』の舞台となるのは、機械化が進み、あらゆるものがコンピュータに管理されている近未来のフランスです。
就職のためにパリにやって来た主人公ユロ氏が、近代化されているゆえに問題だらけになってしまった都会で、様々なトラブルを引き起こしてしまうという内容です。
田舎者が、都会で大きなハプニングを起こし、カオスな状況になっていくというストーリーとなっています。
映画『プレイタイム』のあらすじ(ネタバレなし)
主人公のユロ氏は、フランスの田舎から大会社に就職するために、パリへとやって来ます。しかし、面接の相手であるジファール氏とは、行き違いによって中々会うことができません。
そんなユロ氏は、街にやって来たアメリカの観光旅行集団と出会い、若い娘のバーバラとお近づきになります。
その後、偶然にもジファール氏に会うことができ、話を付けることに成功します。
そして、友人に誘われて、バーバラのいるパーティに参加しますが、ちょっとしたアクシデントをきっかけに様々な問題が発生し、収束が付かない状況へと発展してしまうというストーリーです。
映画『プレイタイム』の解説
『プレイタイム』は、『ぼくの伯父さん』で世界中から脚光を浴びたジャック・タチが、集大成として制作した映画です。
当時の日本円にして1093億円という莫大な予算が投じてあるのが特徴で、高層ビルや空港などの巨大セットを実際に作り、リアリティのある撮影が行われました。
そして、ジャック・タチは、監督と脚本だけでなく自ら主演も務めています。
さらに、出演する俳優の動きのほとんどを指導して回るという熱の入り様で、制作時間は2年かかりました。ただ、莫大な予算と長い期間をかけて作られた割には興行の結果が芳しくなく、ジャック・タチは破産してしまいます。けれど、映画自体の評価は、現代でも高いです。
映画『プレイタイム』のみどころ
『プレイタイム』の見どころは、莫大な予算をつぎ込んで作られた巨大セットです。
その巨大セットで、高画質70mmフィルムを用いた撮影が行われているので、非常に鮮明な描写を見ることができます。そして、近代化に対する風刺映画となっているのが特徴です。
1967年の目線から、シンプルになりすぎてどれも同じように見える建築物など、近代的な要素や機械に対する皮肉が描かれています。
さらに、近代化以外の、ありとあらゆる風刺が取り込まれています。そのような風刺によって、大声を上げて笑うことはできないものの、ニヤリとしてしまうシーンが数多く含まれているのが魅力です。
映画『プレイタイム』の感想
『プレイタイム』は、現代のストーリーがある映画とは少し異なる作品となっています。
ジャック・タチが、映画人としてやりたい放題をしているのが特徴で、1回視聴しただけでは全てを把握するのは難しいでしょう。しかし、その分、何度も繰り返し視聴すると、新しい発見ができる作品でもあります。
映画『プレイタイム』の登場人物・キャスト
ユロ氏:ジャック・タチ
バーバラ:バーバラ・デネック
ジファール氏:ジョルジュ・モンタン
映画『プレイタイム』のスタッフ
監督:ジャック・タチ
脚本:ジャック・タチ、ジャック・ラグランジュ、アート・バックウォルド
撮影:ジャン・バダル、アンドレアス・ヴァインディング
音楽:フランシス・ルマルク