1995年8月19日に公開された映画『プリシラ(Priscilla)』。
この記事では、映画『プリシラ』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『プリシラ』の予告編
オーストラリアのシドニーに住む3人のドラァグクイーン、ミッチ。バーナデット、フェリシアは、遠く離れた街・アリススプリングスのカジノで開かれるショーに出演するため、旅に出ます。
3人を運ぶのは、「プリシラ号」と名付けられたバス。
明るく陽気ながらも、トラブルの絶えない3人が、夢の舞台を目指すロードムービーです。
映画『プリシラ』のあらすじ(ネタバレなし)
女装家のミッチは、その趣味嗜好から差別を受け、住んでいた田舎町に妻子を残しシドニーに逃げて来ました。
友人であるバーナデットは、性転換をした元男性、もう1人の友人フェリシアも若きドラァグクイーンです。
一見すると明るく愉快な3人組ですが、それぞれが世間からの偏見や差別に耐えたり逃げたり、辛い思いもしていました。
そんな3人が、アリススプリングスで開かれるショーに出演するため、愛車のバス・プリシラ号に乗って旅に出ます。
広いオーストラリアの大地。海辺の街から砂漠を越えて、道中さまざまな出会いを重ね、たどり着いた目的地で3人が見た景色は…。
映画『プリシラ』の解説
オーストラリアで制作され、本国公開は1994年9月8日、日本では翌年の8月19日に公開されました。
主人公たちがドラァグクイーンということもあり、色鮮やかで派手な衣装でも話題になりました。
この年のアカデミー賞では衣装デザイン賞を受賞し、デザイナーのリジー・ガーディナーが授賞式で着用したドレスは、アメリカンエキスプレスのゴールドカードを繋ぎ合わせて作られたもの。
式の後、カードをオークションにかけ、収益をエイズ財団に寄付したのは有名な話です。
映画本編にも、マイノリティーである主人公たちが、あらぬ偏見で侮辱されるシーンも描かれており、リアルな現状を訴えかける社会派映画でもあります。
映画『プリシラ』のみどころ
先述の通り、アカデミー賞を受賞している劇中衣装は目を見張るものがあります。ドラァグクイーンという役柄に合わせ、奇抜で、かつおしゃれなファッションが随所に登場します。
また、マイノリティとして生きる主人公たちが受ける、リアルな差別や侮辱が、現実社会全体に問題提起をしているようでもありました。
道中出会う、先住民のアボリジニーが、遭遇はちがえど、差別を受け続けている存在として、物語にも、主人公たちの心境にも影響を与えています。
海辺の街、砂漠地帯、華やかなカジノと、オーストラリアの魅力的な風景がところどころで見られるのも楽しみの一つです。
映画『プリシラ』の感想
この映画の公開は、今から30年ほど前。
今でこそ、多様性を認め合う社会を実現しようという動きが世界中に広がりつつありますが、公開当時はきっとまだまだ偏見や差別の塊だったと思います。
そんな時代に、このテーマで作品を作った製作陣が、作品に込めた想いがひしひしと伝わってくる一作です。
映画『プリシラ』の登場人物・キャスト
- ミッチ:ヒューゴ・ウィーヴィング
- バーナデット:テレンス・スタンプ
- フェリシア:ガイ・ピアース
- マリオン(ミッチ元妻):サラ・チャドウィック
- ベンジー(ミッチ息子):マーク・ホルムズ
映画『プリシラ』のスタッフ
- 監督・脚本:ステファン・エリオット
- 製作 : アル・クラーク、マイケル・ハムリン
- 衣装デザイン: リジー・ガーディナー、ティム・チャペル
- 音楽 :ガイ・グロス
- 撮影 : ブライアン・J・ブレーニー
- 編集: スー・ブライニー