1953年7月15日に公開された映画『錨を上げて』。
この記事では、映画『錨を上げて』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『錨を上げて』の予告編
海軍の水兵・ジョゼフとクラレンスは、第二次世界大戦における功績により、4日間の特別休暇をもらいました。
彼らは一路ハリウッドを目指します。
女友達と過ごすことを楽しみにしてはしゃぐジョゼフ。
その姿を見て、内気なクラレンスもジョゼフの真似をして女友達を作ろうと考えます。
二人は、偶然出会ったスーザンという女性に惚れてしまい、3人の間で恋のドタバタ劇が展開されますが…
映画『錨を上げて』のあらすじ(ネタバレなし)
4日間の特別休暇をもらった二人の水兵・ジョゼフとクラレンスは早速ハリウッドへ繰り出します。
女友達に会える喜びでウキウキしているジョゼフ。それを真似て自分も女友達を作ろうと考えるクラレンス。
街で偶然出会った海軍志望の少年・ドナルドの叔母であるスーザンに一目惚れしてしまった二人。
ジョゼフは歌手志望のスーザンに、有名な音楽家であるホセ・イトゥルビのオーディションを受けさせてあげると出まかせを言ってしまいます。
友情から、スーザンとクラレンスの中を取り持とうとするジョゼフ。
しかし、結局ジョゼフがスーザンを好きになってしまいます。
スーザンのオーディションは?そして、ジョゼフ、クラレンスの恋の行方はどうなるのでしょうか?
映画『錨を上げて』の解説
タイトルの「錨を上げて」は元々アメリカの行進曲の題名であり、現在でも吹奏楽などでよく演奏されます。
アメリカでこの作品が公開されたのが1945年の7月ですから、まだ太平洋戦争が終わっていなかった時期です。
そんな時代にアメリカではこのような陽気な映画が上映されていたのです。
ジーン・ケリーとフランク・シナトラ・コンビのミュージカルは本作を含め「私を野球に連れてって」など3つありますが、いずれも彼らの歌と踊りが満喫できる名作です。
また、当時の人気ミュージシャンであるホセ・イトゥルビや歌手のカルロス・ラミレスも出演し、作品に華を添えています。
ちなみにこの作品はアカデミー作曲賞を受賞しています。
映画『錨を上げて』のみどころ
ジーン・ケリーとフランク・シナトラ。
この名コンビが踊りと歌というそれぞれの得意分野における実力を遺憾無く発揮しています。
この二人によるドタバタぶりも結構笑わせてくれます。
そして、子供たちに勲章の話をする場面での、ジーン・ケリーの実写とアニメーションの動物たちが共演するシーンは圧巻。
「トムとジェリー」のジェリーとの息もぴったり合っています。
また、フランク・シナトラがピアノの弾き語り風に「I Fall In Love Too Easily」を歌うシーンは思わず胸が熱くなります。
他にも、ホセ・イトゥルビが20台のピアノと共に”ハンガリアン・ラプソディ”を合奏したりして、見どころの多い作品となっています。
映画『錨を上げて』の感想
「雨に唄えば」などでハリウッドの黄金時代を築いたジーン・ケリー。フレッド・アステアと並ぶ大スターであるということを再度認識しました。
特にアニメーションのジェリーと共演するシーンはいつ観ても新鮮です。
フランク・シナトラの歌の上手さも天下一品です。
この当時の内気な風貌からは、後年芸能界の大ボスにまで上り詰めるとは想像もできなかったでしょうね。
映画『錨を上げて』の登場人物・キャスト
ジョゼフ・ブラディ : ジーン・ケリー
クラレンス・ドゥーリッツル : フランク・シナトラ
スーザン・アボット : キャスリン・グレイソン
ドナルド・マーティン : ディーン・ストックウェル
ホセ・イトゥルビ : ホセ・イトゥルビ
ブルックリン : パメラ・ブリットン
映画『錨を上げて』のスタッフ
監督:ジョージ・シドニー
制作:ジョー・パスターナク
原作:ナタリー・マーシン
脚本:イソベル・レナート
撮影:ロバート・プランク チャールズ・P・ボイル
作詞:サミー・カーン
作曲:ジュール・スタイン
音楽:ジョージ・ストール
編曲:アール・ブレント